​教授挨拶

令和元年8月に広島大学医系科学研究科免疫学講座の教授に着任致しました。私は広島県世羅町で生まれ育ち九州大学農学部で光合成研究を行った後、細胞老化や不死化という現象が分子レベルで理解、制御できる事に感銘を受け同大学院遺伝子資源工学専攻でテロメア制御の研究に携わりました。

 

当時、癌研究の花形であった癌遺伝子研究をやりたいと東京大学医科学研究所の山本雅研究室の門を叩き、癌遺伝子研究で博士号を取得しました。研究テーマだった遺伝子が抗原受容体シグナルの制御に重要だった縁で黒崎知博先生にご指導頂き免疫学の研究に携わるようになりました。

東京医科歯科大学、理化学研究所を経て、2008年からB細胞研究の第一人者であるKlaus Rajewsky先生 (Harvard Medical School)の研究室に留学しました。2011年から2017年までドイツのMax Delbrück Centerで研究に従事した後に帰国し、九州大学生体防御医学研究所で准教授職を経て広島に戻って参りました。

 

光合成研究から癌研究、免疫研究へとシフトし日米独で数々の研究室における経験から、輝きを放つ研究を育てるには、1)若い研究者を育成する指導者の役割、2)心から面白いと思える研究テーマである事、3)様々な人と協力して研究を進める力、4)他者の意見に惑わされず見て感じた事を信じ貫く芯の強さの重要性を、そして5)分野横断的な広い経験と視点からアイデアやアプローチの幅が拡がる事を実感しました。学生や後進の指導育成においてはこれらを意識した指導を心がけ、色々な事にチャレンジしサイエンスの厳しさと楽しさの両方を体感してもらえればと願っています。

 

免疫は感染防御というだけでなく多様な臓器機能や疾患とも深い関連があることが明らかになりつつあり、その実学問としての重要性は益々高まりつつあります。広島大学が当該分野における存在感を発揮できるよう研究と教育の両面で全身全霊取り組んで参る所存です。

 

皆様方からのご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

 

 

令和元年10月

 

保田 朋波流

2019

Department of Immunology, Graduate School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University